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(2011年7月1日~)
ホスピス・緩和ケア専従医のための自己学習プログラム
■Module7■ 便秘と下痢

〔一般問題〕

問題1 便秘についてのアセスメントについて正しいものはどれか
(1) 1日排便がなければ便処置(浣腸など)が必要である
(2) 水様便が続いていても便秘の存在は否定できない
(3) 長期に経口摂取していないので,排便がなくても問題ない
(4) 腹痛,嘔吐などの便秘の随伴症状がなければ,経過観察でよい
(5) 下剤を投与している場合,排便がなくても経過観察でよい
 
問題2 便秘の薬物治療について正しいものはどれか(複数回答可)
(1) 腸蠕動が乏しく直腸内の便が軟便である時には,センナを選択する
(2) 直腸内の硬便により排便がない時は,軟化性下剤を投与する
(3) 排便に伴う疝痛が強い場合には,まず浸透圧性下剤を選択するせんつう
(4) モルヒネによる便秘は,便秘が起こってから下剤を開始する
(5) モルヒネによる便秘には,刺激性下剤と軟化性下剤を併用する
 
問題3 便秘の非薬物療法について正しいものはどれか
(1) 腹部触診で大腸内に便塊を触れても直腸診で直腸内に便塊がなければ,浣腸は無効である
(2) 直腸内に硬便がある時の摘便は痛みを伴うので避けるべきである
(3) 便秘時の腹部マッサージは腸管を圧迫するので避けるべきである
(4) 温罨法は腹部だけでなく,腰仙骨部に行っても効果的である
(5) 体力の低下した患者では,ベッド上臥床での排便を勧めるようにする
 
問題4 がん患者の下痢の原因について正しいものはどれか(複数回答可)
(1) 下痢の原因として,一番多いのは感染性腸炎である
(2) 下痢の原因として,一番多いのは下剤の過量投与である
(3) 腹部の放射線治療による下痢は治療開始直後から出現する
(4) 下痢を生じた場合には,直ちに止痢剤を投与する
(5) 化学療法を中止すると,下痢が改善することがある
 
問題5 下痢の薬物療法について適切でないものはどれか(複数回答可)
(1) 慢性の下痢に対して硫酸モルヒネ徐放錠を使用する
(2) 下痢の非特異的治療にはロペラミドを選択する
(3) 放射線治療に伴う下痢にはアスピリンが有効である
(4) カルチノイド症候群の下痢にオクトレオチドが有効である
(5) 下痢に消化酵素剤は無効である
 
問題6 下痢のマネジメントについて正しいものはどれか(複数回答可)
(1) 下痢に伴い脱水が起こるために,下痢が続く時には必ず輸液を行う
(2) 下痢があっても体力を消耗させないように,食事は継続する
(3) 下痢に伴う肛門周囲の皮膚びらんへのステロイド外用剤の塗布は,感染予防の観点から禁忌である
(4) 下痢が続く時には,下剤以外の薬剤の見直しも必要である
(5) 下痢が続く時には,タンパク質,脂質の食事制限を行う

〔症例問題〕

〔症例1〕
70歳,男性.6ヵ月前に直腸がんにて低位前方切除術を行った.腹腔内再発の仙骨浸潤による腰部疼痛の増強にて入院となった.精査にて肝転移,大動脈周囲リンパ節転移,多発骨転移も認められた.
腰部痛に対しては硫酸モルヒネ徐放剤60mg/日を服用中である.また,食欲不振,全身倦怠感,傾眠傾向のために,ほぼベッド上のADLとなっている.採血では,高カルシウム血症が認められた.入院後7日を経過しているが1回も排便を認めず,腹部膨満感の訴えも数日前からみられており,消化管通過障害が存在する可能性がある.
 
問題1 この患者の便秘に対する初期対処として適切でないものを挙げよ(複数回答可)
(1) 腹部レントゲン写真の撮影
(2) 大腸刺激性下剤の投与
(3) オピオイドローテーション
(4) 直腸診
(5) 高カルシウム血症の治療
 
〔症例2〕
70歳,男性.直腸がん低位前方切除術後,肝転移,大動脈周囲リンパ節転移,多発骨転移.腹腔内再発の仙骨浸潤による腰部疼痛あり.
腰部痛に対して硫酸モルヒネ徐放剤60mg/日が投与されていた.モルヒネと高カルシウム血症によるものと考えられる便秘が認められた.高カルシウム血症の治療が行われ血清カルシウム値は正常となり,下剤として酸化マグネシウム3g/日とピコスルファートナトリウム45滴/日が投与され,排便は2日に1回であるが,定期的に認められるようになった.腰部疼痛が増強し,硫酸モルヒネ徐放錠の増量が繰り返され,現在180mg/日になっている.モルヒネの増量に伴い再び便秘傾向となり,5日間排便がみられていない.腸蠕動は低下しており,腹部レントゲンでは腸閉塞所見はみられないが,腸管内は内容物が充満している.
 
問題2 この患者の便秘への対処として最も適切と考えられるのは次のうちどれか
(1) 硫酸モルヒネの投与量を減量する
(2) 硫酸モルヒネをフェンタニル持続皮下注射または貼付剤に変更する
(3) ピコスルファートナトリウムを増量する
(4) モルヒネの副作用を解除するために塩酸ナロキソンの静注を行う
(5) メトクロプラミド経口投与を開始する
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