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(2011年7月1日~)
ホスピス・緩和ケアに関する調査研究報告
2001年度調査研究報告


■遺族ケアのニーズと現状に関する基礎調査研究 <2P>



3.「すずらんの会」に参加して良かったこと・悪かったこと(図3)
 回答者の60%前後が会に参加して、「考え方が前向きになった」「気持ちが軽くなった」「悲しみが和らいだ」と回答していた。この結果は、サポートグループの有効性を示唆するものである。しかしその一方で、「悲しみが深くなった」「傷つくことを言われた」との回答が示されたことを見過ごしてはならない。この事実に留意し、会の中でそのような方がおられた場合には、会終了後に個別で対応していく必要があるであろう。



4.「すずらんの会」へ参加しなくなった理由(図4)
 回答者52名のうち、過去3カ月の間に「すずらんの会」に参加したことのある方は6名(12%)であった。不参加者に対し、参加しなくなった理由を尋ねたところ、「自分の力で解決する問題だと思う」との回答が71%と最も多かった。この結果は、会への失望の結果とも考えられるが、「会は助けにならないと思った」など会に対する失望の声は10%前後にとどまっており、必ずしもそうは言い切れない。むしろ、「すでに立ち直った」方や「一回で十分に満足した」方が、今後は特に援助を必要としないという意味で、このように回答したのではないかと推察される。なお、この回答の背景には、死別後に家族以外からの援助を受けることにあまり馴染みがないという日本人の特性があるようにも思われる。

 本研究の計画前に運営スタッフの間で、継続して参加する方が少ないことに対して、会の不備や活動意義を懸念する向きもあった。今回、会に対する失望が比較的少なかったことは、運営スタッフの懸念を少なからず払拭するものであると言えよう。

 また、この結果においては「人前で話すのが苦手」というサポートグループに不適な方や、「期待していた会と違った」といったサポートグループではニーズに十分に対応できない方の存在が認められた。このことから、研究2で検討を行う教育的介入など、他の遺族ケアプログラムの可能性を探る必要性が示唆される。



5.「すずらんの会」の全体的な満足度と必要性(表1)

 最後に、「すずらんの会」の全体としての満足度とその必要性について尋ねた。全体としての満足度に関しては、回答者の90%が、参加して良かったと思うと回答していた。また、「すずらんの会」の必要性に関しても、回答者の88%が、これからも必要だと思うと回答していた。  今回の結果を考え合わせると、ホスピス・緩和ケアにおける遺族ケアプログラムの1つとして、遺族のサポートグループ「すずらんの会」の活動意義は大きいと言えよう。今後も現状での問題点の改善を図りながら継続していく必要があると考えられる。

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