(公財)ホスピス財団 メールマガジン「今月のお便り」 vol.43
今月のコラム

 
大西 秀樹氏
埼玉医科大学
国際医療センター
精神腫瘍科
大西 秀樹
  日本グリーフ&ビリーブメント学会設立について

 最近の医療の進歩はめざましいものがあります。これを可能にしたのは、医学、看護学、心理学、リハビリテーション、社会福祉学など医療や福祉分野における専門家集団が努力を積み上げてきた結晶です。その母体となっているのが学会でしょう。そこでの研究発表、議論、そして交流を重ねる中で現代の医療は進歩し、多くの命が救われる様になりました。緩和医療、支持療法の発展は、病気のどの時期にあっても苦痛が少なく治療を受けることを可能にしました。家族ケアも認知度が上がっています。
 しかしながら、死別後のケアはどうか。
 世界保健機構(WHO)は遺族ケアの重要性を強調していますが、他の分野と比較し、遅れている事は否めません。
 なぜか。まず、医療の発展は生きることを優先してきました。これは当然のことなので、やむを得ません。次に専門家同志が集まる機会の少ない事が挙げられます。死別や悲嘆に特化した学会は私の知る範囲ではありません。死別や悲嘆に関し、様々な分野の交流があれば研究はさらに進むでしょう。
 その現状を改善したいと考え、私共は10年前から様々な職種の有志で集まって“グリーフ&ビリーブメント研究会”を立ち上げ、日本ホスピス緩和ケア研究振興財団から多大なるご支援をいただいて、年に1回グリーフ&ビリーブメントカンファレンスを開催し、死別および悲嘆の研究と普及啓発を続けてきました。そして、この10年間には日本および世界で様々な出来事が起きていて、死別および悲嘆のケアの重要性が認識されるようになりました。
 そこで、更なる発展を目指すためには、専門家集団が集まって議論する場が欠かせないと判断し、研究会を発展的に解消し日本グリーフ&ビリーブメント学会として発足させることになりました。
 専門家集団として社会に対し積極的に提言を行うため、一般社団法人として設立しました。学会では、死別と悲嘆に関する専門家同志の話し合いに加え、最新の情報発信、これから死別や悲嘆を学ぶ人のための活動も行う予定です。
 死別と悲嘆を研究するには、様々な分野の方々の協力体制が欠かせません。皆さまの協力があってこそ、我が国の死別および悲嘆の知見が増し、多くの人の救いになると考えます。
 学会への参加をお待ちしております。

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ホスピス財団 第2回 国際セミナーのご案内 “米国の緩和ケアにおける倫理的ジレンマ” (逐次通訳付)
 
映画「四万十・・いのちの仕舞い」チラシの表紙    ホスピス財団では、本年も国際セミナーを開催いたします。
皆様のご参加をお待ちいたします。


 ■ 日 時:(1) 2018年6月30日(土) 13:30~18:30
       (2)2018年7月1日(日) 13:00~18:00
 ■ 会 場:(1) 品川インターシティホール会議室
       (2) 梅田スカイビル スカイルーム
 ■ 講 師:Robert Macauley先生
      (オレゴン健康科学大学医学部小児科 准教授)
 ■ 定 員:東京会場と大阪会場にて各々100名
 ■ 参加費:無料
 
詳細と申込方法はこちら
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第9回グリーフ&ビリーブメント カンファレンスが開催されました
 
 
 今回は岩切 昌宏氏(大阪教育大学)と垣添 忠生氏(国立がんセンター名誉総長)による基調講演と4名のシンポジストによるシンポジウムが行われました。
 また、新たに「日本グリーフ&ビリーブメント学会」が設立されたという報告がなされました。
 
・日 時 2018年1月28日(日)10時30分~16時30分
・場 所 龍谷大学アバンティ饗都ホール
・参加者 約100名
 
第9回グリーフ&ビリーブメント カンファレンスの様子
 
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ホスピス財団が後援する新しい映画「四万十・・いのちの仕舞い」が、公開上映されています
 
映画「四万十・・いのちの仕舞い」チラシの表紙    高知県四万十川の美しい四季を背景に、地域に根ざした診療をされている小笠原 望医師と患者の方々との心暖まる交流がドキュメンタリーで紹介されています。是非ご覧ください。


 
詳細(予告編など)はこちら
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『新たな全人的ケア・・医療と教育のパラダイムシフト』 好評発売中
 
新たな全人的ケアの表紙  
 「Whole Person Care:A New Paradigm for 21Century」(Springer 社 2011年)の日本語訳として『新たな全人的ケア:医療と教育のパラダイムシフト』を青海社より全国で発売中です。
 Whole Person Care とはカナダ、マギル大学医学部で開発された、新しいケアの概念であり、従来の考え方を根本的に変えるアプローチです。
 是非、ご一読ください。
 
詳細をみる
 
 
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情報コーナー
 
在大阪オーストラリア総領事館主催 オーストラリア介護フォーラムが 2月20日に開催されます
 
 
詳細はこちら↓
https://www.austrade.gov.au/local-sites/japan/events/aged-care-forum-2018
 
ホスピス・緩和ケアに関する新聞記事の紹介
 
・日本人と祈り ・・・山折哲雄さんに聞く
終末期医療や死が溢れる時代にあって、日本人の祈りについて、また「ひとり(個)」であることについて宗教学者の山折氏にインタビューした記事
(毎日新聞 2018/1/23 掲載)

・シリーズ「ひとりの最期」3回シリーズ
ひとり暮らしの高齢者が増えていく状況において、在宅での介護、看取り、金銭管理など様々な課題があるが、その課題をサポートする団体や行政をレポートした特集記事。また、社会学者の上野千鶴子氏の寄稿も紹介されている。
(読売新聞 2017/12/24〜2018/1/21 連載)

・終末期医療の指針改定案
厚生労働省が、11年振りに終末期医療の改定を行うことを紹介した記事。特に在宅での対応にも言及されていて、延命治療への考え方などを本人、医療者、家族と事前によく話し合うことの必要性が強調されている。
(毎日新聞 2018/1/18 掲載)

・コラム 自然な最期を迎えるには
超高齢化社会、多死社会を迎え、自宅で最期を迎えることに関して、秋山正子氏が老衰と医療のあるべき姿を提言しているコラム記事
(毎日新聞 2018/1/10 掲載)

・終末期医療の現場 クローズアップ2018
終末期において延命をするかどうかなど、そのあり方に関しての議論が聞かれるようになって来ている中、腎臓がんで人工透析患者を取材した記事や、ACP(アドバンスケアプランニング)が注目されていることを紹介した記事
(毎日新聞 2018/1/9 掲載)

・がん患者の心に寄りそう
がん患者やその家族の心のケアを専門に行う精神腫瘍医の存在と、その働きの重要性を解く一方、まだ精神腫瘍医の認知が十分でないことを紹介した提言記事
(毎日新聞 2018/1/9 掲載)

・がん・・・家族を支える(上)
がんの悩みは患者だけでなく、家族にも大きな負担となり、第二の患者となって現状を、その体験者が語り、また同じ悩みを持つ家族の交流の場があることも紹介されている。医師のアドバイスも紹介されている。
(毎日新聞 2017/12/28 掲載)

・がん・・・家族を支える(下)
がん患者の家族を支えることに力を入れている静岡がんセンターの取り組みを紹介し、また、全国のがん拠点病院に設置されているがん相談支援センターが十分に認知されていない調査結果を紹介した記事
(毎日新聞 2017/12/29 掲載)

 
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