(公財)ホスピス財団 メールマガジン「今月のお便り」 vol.10
今月のコラム
 
細井 順先生

ヴォーリズ記念病院
ホスピス長
細井 順
  「お互いさま」と言えるとき
 ホスピスの金言のひとつに、“not doing, but being”という一節がある。私がホスピスケアを志したおよそ20年前に出会ってから、折に触れて思い出す言葉である。
 この言葉の意味は、「何かをしなくても、そこに止まるだけでいいのだよ」ということである。そうとはわかっていても、何もせずに傍にいることはとても難しい。
 外科医をしていた頃の想い出であるが、がん再発で入院していた方のところに回診に行った。私に気づいて起き上がった。私はその日の調子を尋ねたが俯いたまま何も返事をしてくれない。言葉を換えて尋ねたが何も返してこない。沈黙の時間が流れた。この沈黙はとても耐え難い時間であった。「お大事に」と退室するしかなかった。
 その当時、病状を尋ねる、診察する、治療薬を処方するなどを目的に病室に向かっていた私にとっては、ただ何もできずにその場にいることはできなかった。医者の仕事をさせてもらえなかったらそれでおしまいであった。
 今、ホスピスにはあのときと同じく臨死期を生きる人がいる。挨拶をして黙ってベッドサイドの椅子に座り込むと、上半身を起こした。私は何も問いかけず、言葉を待つ。言葉を紡ぐのには時間を要するのだ。しばらくの沈黙をへて、「先生に出会わせてもらい、自分がちっぽけな存在であることを日々気づかされている。ありがたいことだ」と小さく頭を下げた。「私も○○さんと出会って同じように感じている」と伝え、頭を垂れた。そして、「お互いさまじゃないですか」と言い添えた。
 誰もが死にゆく存在であるかぎり、ホスピスケアは「お互いさま」に根ざしたケアである。それは、医療者・介護者から臨死患者へとか、医療・介護制度を通して住民へというような、一方から他方への押しつけで成り立つことではない。たとえ、最善のシステムができたとしても、根底にある「お互いさま」を忘れてしまったら無意味であろう。
 人間の有限性を自覚し、最終判断は人間をあらしめている大きな力に委ねる謙虚さをもつことが、尊厳ある死をみつめることになる。
 
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第6回 グリーフ&ビリーブメントカンファレンスが開催されました
 
 1月17日(土)、関西学院大学梅田キャンパスにて開催され84名の参加者で、会場は満席となりました。この日は阪神大震災の20周年の日でもあり、講師、参加者ともに特別の思いをもって行われました。基調講演では、講師の山本佳世子先生(上智大学グリーフケア研究所)から、グリーフケア提供者への教育の必要性が語られ、質疑応答でも活発な意見交換がなされました。
 午後からは、石田真弓先生の講演と中西健二先生の事例検討が行われ中身の濃いカンファレンスとなりました。

第6回グリーフ&ビリーブメントカンファレンスの様子-1   第6回グリーフ&ビリーブメントカンファレンスの様子-2
 
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個人賛助会費と一般寄附が、オンライン(クレジット決済)でも支払いが出来るようになりました
 
決済サービスのwebページの一部    ホスピス財団では、新しく CANPAN決済システムを導入し、ご自宅のパソコンを使用して賛助会費(個人)と一般寄附の支払いが可能になりました。郵便局や銀行へ出向く必要がなく手軽に利用できますので、是非、ご活用ください。詳細はホームページを参照してください。
 
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2014年度 ホスピス・緩和ケアボランティア研修会の開催記録が出来上がりました
 
2014年度は、神戸会場と松山会場の2回の開催となりました。開催記録はホームページに掲載いたしました。
 
2014年度ホスピス・緩和ケアボランティア研修会神戸開催のポスター  
神戸開催
 
◎ 実施日:2014年7月3日(木)
◎ 場所:三宮研修センター(神戸市)
◎ 講演 1.緩和ケアの本質 ~死を通して、生といのちを考える~
   高宮 有介氏(昭和大学医学部 医学教育推進室)
   講演 2.寄り添う心 ~スピリチュアルケアの視点から~
   大河内 大博氏(上智大学グリーフケア研究所)
 
2014年度ホスピス・緩和ケアボランティア研修会松山開催の様子  
松山開催
 
◎ 実施日:2014年9月3日(木)
◎ 場所:愛媛大学医学部(松山市)
◎ 講演 1.「生活を途切れささないために・・・緩和ケアとエンパワメント」
  櫃本 真聿氏
  (愛媛大学医学部附属病院 総合診療サポートセンター長)
   講演 2.「病院ボランティアの役割とは・・・
                      ボランティアがいる病院の風景」
  中橋 恒氏(松山ベテル病院 院長・ホスピス病棟医長) 
 
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2014年度 ソーシャルワーカーのスキルアップセミナー in 京都 開催報告書
 
ソーシャルワーカーのスキルアップセミナー in 京都 の開催報告書が出来上がり ホームページに掲載いたしました。
   
2014年度ソーシャルワーカーのスキルアップセミナー in 京都の様子   ◎ テーマ:「かけがえのない時間を大切に過ごすための意思決定支援」
◎ 実施日:2014年10月12日(日)
◎ 場所:メルパルク京都(京都市)
◎ 基調講演:京都府立大学 細川 豊史先生
◎ ワークショップ講師:福地智巴氏 田村里子氏
 
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ホスピス財団ニュース 27号が発行されました
 
ホスピス財団ニュース27号の表紙  
 ホスピス財団の活動内容や、ホスピス・緩和ケアに関する情報などが掲載されています。是非ご一読ください。
  ホームページでご覧いただけますが、ご希望の方には無料で送付いたしますので、ホスピス財団へE-MAILで、送付先、必要部数を明記してお申し込みください。
 
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ホスピス財団の新パンフレットをお分けしております
新しくなったパンフレットの表紙    一人でも多くの方々にホスピスの使命とホスピス財団の働きを知って戴きたいとの思いから、 一般の方にも分かりやすいパンフレット『私たちはホスピス財団です』を制作いたしました。 是非、ご活用ください。ご希望の方には無料で送付いたしますので、ホスピス財団へ E-MAILで、送付先、必要部数を明記してお申し込みください。
 また、ホームページにも掲載しております。
 
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情報コーナー
セミナー・講演会の紹介
 
第21回 日本死の臨床研究会 近畿支部大会 in 宝塚 のチラシ   ・「看取りの場の現状と今後の課題」
・講師 山形謙二先生 池永昌之先生 ほか
・2015年2月15日(日)10時~17時30分
・会場 宝塚ホテル
 
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近刊・新刊の紹介
 
緩和ケア の表紙   ・「緩和ケア」(青海社)がリニューアルされました。
編集委員に若手の先生方が加わり、臨床重視・現場重視の視点で、オリジナリティあふれる内容になりました。
 
ひとりぼっちのオルガン の表紙   ・ひとりぼっちのオルガン (保育社)
・・・・子どもから大人まで、心が疲れたときに元気をくれるビジュアルエッセイ
プレゼントに最適です!
 
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ホスピス財団紹介パネルが三井住友信託銀行に展示されています
 
ひとりぼっちのオルガン のチラシ    ホスピス財団を分りやすく紹介したパネルを、三井住友信託銀行の協力で、1月21日から2月18日まで、神戸・三宮支店で展示されています。お近くの方はご覧ください。
 その後は西宮支店でも展示が予定されています。
 
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ホスピス・緩和ケアに関する新聞記事の紹介
 
・がん医療フォーラム2014の講演・フォーラムの特集で、在宅ホスピスや地域での取組が紹介されている記事
(読売新聞 2015/1/24 掲載)

・レーザーでがん患部を狙い撃ちして治療するなど、新しい治療を紹介した記事
(読売新聞 2015/1/19 掲載)

・関西学院大学と朝日新聞が共同で、阪神大震災の遺族を対象に意識調査を実施し、その内容を紹介した特集記事
(朝日新聞 2015/1/10 掲載)

・渡辺和子さんと、橋本五郎氏(読売新聞特別編集委員)が、先行き不透明な時代をどのように生きるかを語り合った新春対談。3回シリーズ
(読売新聞 2015/1/1、3、4 掲載)

”生と死をめぐる断想”の表紙   ・書評:「生と死をめぐる断想」岸本葉子著を作家の辻原 登氏が、書評として紹介した
(毎日新聞 2014/12/28 掲載)

・国立がん研究センター小川朝生先生(ホスピス財団事業委員)が、がん患者とその家族の抱える問題について語られた記事
(読売新聞 2014/12/26 掲載)

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