module3.終末期がん患者の特徴
教育時期 教育方法 目 的 大項目 小項目 評 価
経験1年目:前期 講義
自習
1)がん悪液質症候群
・がん悪液質症候群について理解する。
(1)がん悪液質症候群 ・がん悪液質とは:終末期がん特有の食欲不振や体重減少はがん悪液質症候群といわれるものであり、これらの対応はしばしば困難である。厳密な定義は存在せず、脂肪や筋肉組織の消耗を伴う体重減少が特徴的な臨床症状である。
・がん悪液質の原因:代謝異常(糖質代謝・蛋白質代謝・脂質代謝)、エネルギ−消費、ホルモン異常、サイトカイン関与
□がん悪液質症候群について説明できる。
・がん悪液質の症状:食欲不振、体重減少、衰弱
・がん悪液質の治療:消化管運動改善薬、プロゲステロン製剤、コルチコステロイド
2)トータルペイン
・ト−タルペインの概念を理解する。
(1)ト−タルペインの定義 ・全人的苦痛とは、Saundersが、がん患者と関わった経験から、患者が経験している複雑な苦痛を表した概念である。患者の苦痛は単に身体的な側面だけでなく、精神的、社会的、霊的な側面から構成されいるという全人的な視点である。そして、“患者の病気”に焦点を合わせるのではなく、患者を“病気を持った人間”として捉える視点が重要である。 □ト−タルペインの概念について理解できる。
(2)4つの苦痛 ・身体的苦痛:疾患に帰院する痛み、治療に関係した痛み、闘病生活に伴う痛み(日常生活労作の支障、筋力の低下、褥瘡)
・精神的苦痛:不確かさに対するいら立ち・不安、死への恐怖、痛みに対する恐怖、ボディイメ−ジの変化に対するうつ状態
・社会的苦痛:家族についての悩み(経済的問題、子供の養育)、仕事についての悩み、家庭内での役割の変化、複雑な家族関係
・霊的苦痛:人生や存在の意味への問い、罪悪感・後悔の念、絶望感・虚無感、死への恐れ、宗教的な問題




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