module12.最後の数日間のケア
教育時期 教育方法 目 的 大項目 小項目 評 価
経験2年目:前期 講義
ケ−スカンファレンス
自習
1)身体的な変化
・身体的な変化を評価と管理について理解する。
(1)衰弱・全身倦怠感の増強 ・活動性の低下に対する援助(清潔更衣、身の回りの整理・整頓、患者の生活習慣)
・排泄行動の援助(自力でトイレに行けなくなる)
・体動不能による苦痛の緩和(マッサ−ジ、体位変換、気分転換)
・転倒・転落などの事故防止
□最後の数週間に出現する患者の身体的な変化に対応できる。
(2)経口摂取 ・誤嚥の防止
・口腔内の乾燥に対するケア
・食べられないことについての家族への説明
 
(3)呼吸困難 ・酸素投与
・安楽ポジション
・日常生活介助
・不安や恐怖に対する援助
・薬物療法の評価
・セデ−ションに対する援助
 
(4)痛み ・増強する痛みの評価
・増強する痛みに対する不安や恐怖に対する援助
・薬物療法の再評価(脱水、傾眠、せん妄、尿量減少時のモルヒネ投与)
・意識低下やせん妄がみられる状態での痛みの評価(訴え、体動、苦痛様顔貌)
 
(5)意識障害 ・患者とのコミュニケ−ションがとりにくい状況での意思決定
・その人らしさ、意向、尊厳を保つことを重視する
・キ−パ−ソンの協力を得ること
・家族のケア
 
(6)せん妄 ・原因が特定されるか評価
(薬剤性、高カルシウム血症、感染症、脳転移など)
・薬物投与(ハロペリド−ル、ウィンタミン)
・事故防止に努める
・本来のその人らしさを重視する
・家族ケア
 
(7)死前喘鳴 ・気道内の分泌物の除去(体位変換、スコポラミン、サクション)
・家族への説明
 
(8)死の直前に起こる変化 ・呼吸:チェ−ンスト−クス、無呼吸、肩呼吸、あえぎ呼吸、下顎呼吸、呻吟、死前喘鳴
・循環:脈緊張の低下、血圧低下、頻脈、末梢冷感、チアノ−ゼ、顔色不良・顔の相の変化
・意識:反応の消失
・皮膚:紫斑
 
2)家族へのケア
・家族ケアの実際を理解する。
(1)家族ケアの実際 ・患者の身体の変化を伝える
・家族の不安や悲嘆が表出できるように援助する
・具体的な看病について助言する
□家族が患者の死を受容できるようにサポ−トする。
3)死後のケア
・患者がその人らしく旅立てるように身支度を整える。
(1)家族への確認事項 ・ケアへの参加の有無
・着物の用意
・身支度に対する希望
・寝台車の手配
□その人らしさを尊重した死後のケアができる。
(2)死後のケアの実際 ・体内の排泄物・貯留物の除去
・創傷の処置
・全身清拭
・体腔に弾綿を詰める
・着衣
・外観を整える
・お見送り
 




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