●2001年度調査研究報告 ●2002年度調査研究報告 ●2003年度調査研究報告 ●2004年度調査研究報告 ●2005年度調査研究報告
6考察 研修内容については、「がん患者の心理」と「がん患者の家族理解」が、回答者全員が必要と感じていた。次いで多かった「精神症状」と併せて、ソーシャルワーカーが、患者の内面的な問題に対する援助を担っていることが推察される。また、患者への直接的な療養援助は、医師や看護師などが担当するが、家族の心理的な葛藤や不安、家族間の人間関係、家族の生活上の問題などには、ソーシャルワーカーの支援が求められ、ソーシャルワーカーの主要な役割となっていることが、「がん患者の家族理解」についての研修ニーズが高いことの要因であると考えられる。 次いで高かった「他職種チーム内のコミュニケーション」は、ホスピス・緩和ケアにおいて、チームアプローチがケアの主要な柱として位置づけられているが、従来の日本の医療において最も欠けていたことであり、他職種チーム内のコミュニケーションが、未だ困難であるという実態を示しているとも推察される。今後、円滑なチームアプローチのための教育的トレーニングは不可欠である。 次にソーシャルワーク・アセスメントは、ソーシャルワーカーが最も専門性を発揮できるスキルであるが、研修ニーズは96%と高かった。このことは現任者においても、継続的、日常的なトレーニングが必要であることを示唆したものであると考える。 また「がん終末期における身体症状やその治療の実際」については、95.3%が必要であると回答していた。 がん終末期においては、患者の身体症状と心理的、あるいはスピリチュアルな問題とは密接な関係がある。また、家族も含めてその影響を受け、治療上のあるいは生活上の選択を迫られる場面も多い。このため、ソーシャルワーカーが、がん終末期患者の身体症状や治療の基礎を学ぶ必要があるが、国家資格である社会福祉士の養成教育の現状をみても、これらの学びを得ることは困難であり、卒後研修として提供する必要がある研修項目である。 研修方法・研修機会については、全ての項目が平均的に必要であると回答された。 このことは講義、演習など教育方法の工夫が求められていることの示唆であると同時に、本調査で、ソーシャルワーカーの現任者教育や研修についての熱い思いを確認することができた。